オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が
5G等からの電波ばく露は免疫系に影響しないとの声明を発出
2020.04.03掲載
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2020年4月2日付で、 第5世代移動通信(5G)およびその他の無線通信から発せられる電波ばく露は免疫系に影響しない、 との声明を発出しました。
この声明の内容は以下の通りです。
- 「新しい5G携帯電話ネットワーク、それ以前の移動通信ネットワーク、およびその他の無線通信の波源は、電波とも呼ばれる低レベルの無線周波電磁エネルギーを発します。
- ARPANSAは、「5Gと健康」に関する助言を発出しています。また、「オーストラリアの5Gネットワークについての誤報」に関する助言も発出しています。
- 数十年に及ぶ研究により、非常に高い出力レベルの電波へのばく露は人体に過剰な加熱を生じ得ることが十分に確立されています。これは各種の深刻な健康影響につながり得るものです。
- 高出力の電波の有害な影響から人々を防護するため、ARPANSAは一般公衆および労働者の電波ばく露に対する限度を制定した安全基準を策定しています。このばく露限度は、害が生じ得るレベルよりも十分低く制定されています。
- 5Gネットワークの動作周波数も、ARPANSAの安全基準によって制定された限度に含まれています。電波を発する5G設備および機器は、オーストラリア通信・メディア庁(ACMA)によって規制されており、その放射レベルはARPANSAの安全基準を遵守しなければなりません。
- 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的流行拡大に伴い、ヒトの免疫系が5G等の無線通信の波源によって損なわれるのではないかと懸念する人々がいます。
- 免疫系は、細胞、組織、臓器およびそれらが生み出す物質の複雑なネットワークであり、人体がウィルスや細菌等の微生物の侵入による感染症と戦うのを助けています。
- 多くの研究で、電波ばく露が免疫系に影響を及ぼし得るかどうかが調べられています。一部の研究では、ARPANSAの安全基準の限度を大幅に上回る高出力の電波ばく露が、深部体温を上昇させ、免疫系に一時的な影響を生じることが示されています。
- 5G等の通信波源からの低レベルの電波ばく露が免疫系にインパクトを及ぼし得るかどうかも調べられています。そのような研究では、抗原、抗体および酸化ストレスに対する影響を調べたものを含めて、免疫機能における変化の証拠は示されていません。
- 5Gおよびその他の無線通信からの低レベルの電波ばく露が、免疫系に影響を及ぼし得る、あるいは、その他の長期的または短期的な健康影響を生じ得るということを示す、確立された証拠はありません。
- 自分自身および他者を守る方法を含めて、COVID-19についての最新情報および助言は、 保健省のウェブサイトhttps://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alertをご参照下さい。」
この声明の原文は、以下のURLで確認できます。