オーストラリア通信・メディア庁(ACMA)が5G基地局の近くでの電磁エネルギー測定結果を発表
2021.09.24掲載
オーストラリア通信・メディア庁(ACMA)は、第5世代移動通信(5G)基地局の近くでの電磁エネルギー測定結果を発表しました。
オーストラリアにおける電磁エネルギー(EME)ばく露基準は、高周波電磁界へのヒトのばく露についての科学的評価および確立された限度値に基づいています。これらは、オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)によって制定されています。オーストラリア通信・メディア庁(ACMA)は、特に、ネットワーク事業者に対して無線通信局の運用のための条件を課すことで、これらの限度値を規制しています。
ARPANSAの限度値は、人々に害が生じる可能性があるレベルよりも十分に低く制定されています。ARPANSAの安全基準の範囲内に設定された限度値よりも低いばく露レベルでは、集団および個人のEMEばく露による何らかの健康への悪影響を支持する確立された科学的証拠はないというのが、ARPANSAおよび国際機関の評価です。
ACMAは、ネットワーク事業者がこの規則に従っていることを担保するため、積極的にモニターしています。
EME測定結果の要点は以下の通りです。
- 環境中のEME測定値:全ての測定地点でのEMEの平均値は、ARPANSAの基準の1.5%未満で、大多数の地点では1%以下でした。
- 実際の最大レベルと予測された最大レベルとの比較:事業者によるEMEレベルの予測は、いずれの場合も、実際の測定値よりも高いものでした。96%の地点で、測定値は事業者の予測の50%未満でした。
- ビームフォーミングの最大測定値:ビームフォーミングされたEMEの最大測定値は、ARPANSAの基準の2.5%でした。
ACMAの調査結果の原文は、以下のURLから入手可能です。
JEICによる注記
オーストラリアでは「電磁エネルギー(EME)」という用語が「電磁界」と同じ意味で用いられています。