フランス国家周波数庁(ANFR)が
5G導入前後の一般公衆の電波ばく露の測定結果を発表
2021.12.17掲載
2022.01.26更新
フランス国家周波数庁(ANFR)は2021年12月14日付で、2020~2021年に実施した3000回を超える一般公衆の電波ばく露の測定結果を発表しました。測定は、第5世代移動通信(5G)アンテナ用地の近くで、その運用開始の前後に実施したため、5G導入に関連したばく露の変化を正確に把握することができました。現在5Gに用いられている全ての周波数帯を調べました。その結果、5G導入前と導入の数か月後で、ばく露は同等であることが示されました。
この測定プログラムでは、700 MHz、2100 MHz、および3.5 GHzの周波数帯における電波ばく露レベルに対する、5Gの影響力を調べました。これらの周波数帯のうち、700 MHzおよび2100 MHzは、フランスでは第3世代(3G)および第4世代(4G)移動通信で既に長年利用されており、公衆ばく露は5G導入に関わらず安定していることが示されました。
3.5 GHz帯については、ばく露の増加はごくわずかで、0.11 V/mが新たに上乗せされたに過ぎませんでした。この周波数帯に対する規制限度値は61 V/mです。
この5G用の周波数帯は、近傍のユーザーに対して電波の照射方向を変えられるアンテナを備えているという特徴があります。現在の5Gの展開状況では、このネットワークを利用するユーザーが少ないので、ばく露も低いです。このためANFRは、通信量の増加に伴うばく露の変化を監視するため、今後も分析を継続します。
この測定結果についての報道発表および報告書の英語版は、ANFRの以下のウェブサイトから入手可能です。