国際がん研究機関(IARC)が
発がんハザードの同定についての
ウェブサイトを更新(Volumes 1-131)
2022.4.11掲載
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、
22022年4月8日付で「ヒトに対する発がんハザードの同定についてのIARCモノグラフ」のウェブサイトの「IARCモノグラフで分類された因子、Vol.1-131」
https://monographs.iarc.who.int/agents-classified-by-the-iarc/
を更新しました。
これは、「IARCモノグラフVol.131:コバルト、アンチモン化合物、および兵器級タングステン合金」の概要版の発表に伴うものです。これらの作用因子はいずれも、一般環境よりも職業環境においてばく露される可能性が高いと予想されています。
IARCの作業部会は、これらの作用因子の発がん性について以下のように評価しました。
- 三価アンチモン:「ヒトにおける発がん性の限定的な証拠」、「実験動物における十分な証拠」および「ヒト初代細胞および実験系におけるメカニズムの強い証拠」に基づき、「ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)」に分類
- コバルト金属および可溶性コバルト(II)塩:「実験動物における十分な証拠」および「ヒト初代細胞におけるメカニズムの強い証拠」に基づき、「ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)」に分類
- コバルト(II)酸化物および兵器級タングステン合金::「実験動物における十分な証拠」に基づき、「グループ2B:ヒトに対して発がん性があるかもしれない」に分類
- コバルト(II、III)酸化物、コバルト(II)塩化物、その他のコバルト(II)化合物、および五価アンチモン:「ヒトに対する発がん性を分類できない(グループ3)」
モノグラフVol.131についての情報は、以下のウェブサイトから入手可能です。
なお、電磁界に関する発がんハザードの分類の変更はありません。
JEICによる注記
IARCは、化学物質や喫煙などによる発がんハザードの同定のための調査・研究と、がん対策を推進する機関です。
IARCによる発がんハザードの同定は、対象となる作用因子、例えば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がんハザードの証拠の確かさの程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)をするものではありません。