よくある質問と回答
3-1電磁波(電磁界)は、健康にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
時間変化する電磁波(電磁界)が生体に及ぼす影響には、おおむね100 kHz(キロヘルツ)を境として「刺激作用」と「熱作用」があります。
生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁界が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
非常に強い低周波電磁界(おおむね100 kHz以下)には、体内電界を生じさせ、神経や筋に影響を及ぼす刺激作用があります。
非常に強い高周波電磁界(おおむね100 kHz以上)には、生体組織を加熱する作用(熱作用)があります。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを、100 kHzを境に低周波電磁界と高周波電磁界についてそれぞれ策定しています。
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3-2弱い電磁波(電磁界)を長時間浴びると、からだに蓄積されていくのでしょうか?
弱い電磁波(電磁界)が身体に蓄積されるという証拠は確認されていません。
低周波電磁界や高周波電磁界(電波)には、生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁界の影響が蓄積されるという証拠は確認されていません。
なお、電波法では、周波数300万MHz(メガヘルツ)以下、すなわち3THz(テラヘルツ)以下の電磁界が「電波」と定義されています。これよりも周波数が高い電磁界として、赤外線、可視光線、紫外線、放射線(エックス線、ガンマ線)が含まれます。
このうち、紫外線の一部と放射線には、物質を通過する際に物質を構成する原子から電子をはじき飛ばしてイオン化(電離)する作用があります。生物がこの電離作用のある放射線を過度に浴びると、DNAに損傷が生じることがあります。細胞には通常、この損傷を正常に修復する能力がありますが、修復が正常に行われない場合、損傷が蓄積され、細胞の正常な機能が損なわれ、がんなどの悪影響を生じるおそれがあります。
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3-3送電線の下の土地に長く住んでいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
送電線からは低周波の電磁波(磁界)が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、送電線などの電力設備から発生する低周波磁界について、国際規格(IEC62110)に基づく測定を実施しました。その結果、電力設備から発生する低周波磁界の強さは、全て経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことが示されました。
経済産業省の委託調査でも、電力設備から発生する磁界の強さは全て経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことが示されています。
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、生活環境でのガイドラインよりも低いレベルの超低周波磁界ばく露と小児白血病のリスク上昇との間に一貫した関連が認められることなどから、超低周波磁界について「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と発がんハザード評価をしています。その後、WHO本部はIARCの評価に関連して、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係とみなせるほど強いものではありません。」との見解を示しています。また、その他の健康影響についての証拠は「小児白血病についての証拠よりもさらに弱い」とリスク評価しています。
電磁界情報センターでは、送電線から発生する磁界の強さを測定できる低周波磁界測定器の貸出を無料(配送料は自己負担)で行っています。
ご要望がございましたら以下のページをご覧下さい。
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3-4送電線の近くに家を買うのですが、電磁波(磁界)の健康への悪い影響はないのでしょうか?
送電線から発生する電磁波(磁界)が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
送電線からは低周波電磁界が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、送電線などの電力設備から発生する低周波磁界について、国際規格(IEC62110)に基づく測定を実施しました。その結果、電力設備から発生する低周波磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことを確認しています。
経済産業省の委託調査でも、送電線から発生する磁界の強さは全て経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことが示されています。
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、生活環境でのガイドラインよりも低いレベルの超低周波磁界ばく露と小児白血病のリスク上昇との間に一貫した関連が認められることなどから、超低周波磁界について「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と発がんハザード評価をしています。
その後、WHO本部はIARCの発がんハザード評価に関連して、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係とみなせるほど強いものではありません。」との見解を示しています。また、その他の疾病についての証拠は「小児白血病についての証拠よりもさらに弱い」とリスク評価しています。
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3-5パソコンやテレビなどから発生する電磁波(電磁界)は、生殖過程や胎児への影響、眼の異常と関係があるのでしょうか?
電磁波(電磁界)との関係があるとは考えられません。
パソコンやテレビからは、低周波電磁界(50・60Hz)が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
現在のパソコンやテレビは液晶や有機ELを用いたものが主流であり、従来のブラウン管方式に比べ、表示装置から発生する電磁界は小さくなっています。
電磁界情報センターでは、パソコンやテレビを含む42種目の家電製品の低周波磁界について、国際規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、家電製品から発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPのガイドラインの制限値よりも低いことを確認しています。
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3-6 IH調理器の近くにいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
IH調理器から発生する電磁界が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
IH調理器からは、電源回路での50・60Hz(ヘルツ)の低周波磁界と、電流を流して鍋を加熱させるコイル部分での20kHz~90kHz(キロヘルツ)の中間周波磁界が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、IH調理器の低周波磁界について、国際規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、IH調理器から発生する磁界の強さは、ICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことを確認しています。
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3-7電子レンジの近くにいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?また、電子レンジで調理した食物は有害なのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
電子レンジは、2.45GHz(ギガヘルツ)の高周波電磁界(マイクロ波)を使用して調理を行います。マイクロ波が極性(プラスとマイナス)をもつ分子(例えば水やタンパク質)に吸収されると、分子が振動・回転して温度が上昇し、その熱によって食品を加熱調理しています。
ただし、電子レンジのスイッチを切った後は、レンジの庫内にも食品にも、マイクロ波エネルギーが残存することはありません。また、オーブンレンジと同様に電子レンジで調理した食品に有害な成分が発生することもありません。
電子レンジは、マイクロ波がレンジの内部に確実に閉じ込められるように外周囲を含め、扉に網状のものが取り付けられています。また、扉を開けた時にマイクロ波が外に漏れないよう直ぐに停止する設計になっています。したがって、有害となるマイクロ波を浴びることはありませんので、電子レンジが健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
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3-8携帯電話の基地局の近くに長く住んでいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
携帯電話の基地局は、高周波電磁界(電波)を発します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.304「基地局および無線技術」で、「非常に低いばく露レベル、および今日までに集められた研究結果を考慮した結果、基地局および無線ネットワークからの弱いRF信号(電波)が健康への有害な影響を起こすという説得力のある科学的証拠はありません。」と結論付けています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。総務省でもこのガイドラインと同等の電波防護指針を設け、安全な電波利用の一層の徹底を図るため、無線局の開設者に電波の強度に対する安全施設を設けることを義務づけています。この制度は、人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強度が基準値を超える場所がある場合には、柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないようにすることを無線局の開設者に義務づけるものです。
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3-9鉄道から発生する電磁波(磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
鉄道車両の内外およびホームでは、静磁界[0Hz(ヘルツ)]、低周波磁界(数Hz~数十Hz)、中間周波磁界(数百Hz~数kHzキロヘルツ)]が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
国土交通省は省令で、鉄道関連設備から発生する磁界が「人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう施設しなければならない」と規定しています。
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3-10電磁波(電磁界)にさらされて働いている人達について、病気との因果関係はあったとの報告はありますか?
そのような報告はありません。
欧州委員会(欧州連合(EU)の執行機関)に対する諮問機関「新興および新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR)」は意見書で、「職業的に超低周波磁界にばく露される人々において、神経変性疾患(アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など)のリスクが若干高いとする疫学研究からの報告も一部にあるものの、
これらの研究では実際のばく露レベルを測定しておらず、職種に基づいてばく露レベルを分類していたため、ばく露の誤分類の可能性があるといった研究手法上の限界がある」と指摘しています。
MRI診断を行う医師や看護師等の医療従事者は、かなり強い静磁界にさらされることになります。強い静磁界ばく露では、めまい等一時的体調変化が起こる可能性がありますので、MRI装置近傍でゆっくり動作することが求められますが、適切な作業実践が行われる場合には8 T(テスラ)のばく露まで許容されています。世界保健機関(WHO)は、長期的ばく影響については結論を出すには研究が不十分であると報告しています。
低周波磁界のうち、50・60Hz(ヘルツ)の磁界の国際的なガイドライン(ICNIRP)の職業的ばく露の制限値は1,000µT です。送電線など電力設備のメンテナンス従事者の労働環境での健康影響調査が随分前に行われましたが、健康影響の報告はありませんでした。溶接作業者は、電源コードには非常に大きな電流が流れるため強い磁界にさらされますが、労働環境調査の結果では、健康影響は報告されていません。
高周波電磁界(電波)の発生源である電波塔や携帯電話基地局のアンテナの極近傍でのメンテナンスの際、職場環境の防護指針の規制値を超える恐れのある場合は一時的に電波を停止して作業を行う必要があります。電波を停止して作業を行っているため、強い電磁界にばく露されることはありません。
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3-11光回線から発生する電磁波(電磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
光回線は電磁波(300 GHzまでの電磁界)を使用していません。光回線に主に使われている光の種類は、自然界にも存在している赤外線~可視光線です。光の出力は非常に小さく、光がケーブルからもれることもありません。
3-12パソコンの操作に光学マウスを使用していると手に違和感がある時がありますが、これは電磁波(電磁界)の影響でしょうか?
電磁波(電磁界)の影響とは考えられません。
光学式マウスは赤色の光(可視光線)を発するLEDを用いています。その他に、青色の光や赤外線を発するLEDを用いたマウスもあります。いずれの場合も、マウスが発する光や赤外線は人体に悪影響を及ぼすものではありません。
手に違和感を覚えるのは、マウスを長い時間、同じ手の角度で保持することや、クリックで指を多用することによる疲労のせいかもしれません。マウス作業の際は、適度な休息を取るようにしてみてはいかがでしょうか。
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3-13テレビのリモコンなどの赤外線は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
非常に強い赤外線が物質に吸収されると、その物質を暖めますが、テレビのリモコンなどで用いられている赤外線は、出力が非常に小さく、健康に悪影響を及ぼすものではありません。
3-14磁気ネックレスなどの電磁波(磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
磁気の力で肩こりの緩和や血行の改善などの効能をうたった、ネックレスやブレスレッドなどの製品には、永久磁石が用いられていて、一般的に100mT(ミリテスラ)程度の強さの静磁界が発生します。これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドライン(静磁界に対しては400mT)を策定しています。
磁気ネックレスなどからの静磁界は、このガイドラインの制限値よりも低い値です。
なお、心臓ペースペーカなど体内植込み型医療機器を使用している場合、磁気治療器を植込み部位に近づけるのを避けることが求められます。電磁界とは関連しませんが、この種の製品の中には、薬機法(旧薬事法)違反(効能標榜)にあたるものや、金属アレルギーを引き起こす原因になる場合もありますので、十分に注意してください。
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3-15電位治療器の電磁波(電磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
電位治療器を始めとする家庭用医療機器は、医療機器認証に基づく審査がなされています。
また、一般社団法人日本ホームヘルス機器協会では、機器の効能効果や使用目的が紹介されています。
これらの機器は、治療目的で使用する場合に電磁波(電磁界)にばく露されますが、その分得られる便益もあります。ただし、各メーカが表示する禁忌・禁止事項は絶対に守って下さい。例えば、心臓ペースペーカなど体内植込み型医療機器を装着されている人は注意が必要です。
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3-16交流磁気治療器の電磁波(電磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
磁気治療器は薬機法(旧薬事法)に基づく医療機器承認審査、電気用品安全法に基づく適合性検査を受けています。
また、安全に正しく使用するためには、取扱説明書を必ずお読みになり、「禁忌・禁止」事項は絶対にしないで下さい。これらの機器は、治療目的で使用する場合に電磁波(電磁界)にばく露されますが、その分得られる便益もあります。ただし、心臓ペースペーカなど体内植込み型医療機器を装着されている人は使用上の注意が必要です。
世界保健機関(WHO)のリスク評価は、医療目的におけるリスク評価を原則として行いません。なぜならば、治療という目的を持って治療器を使用し、その効果を得るためです。
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3-17 MRI、CT、X 線等医療用検査機器による放射線(広義には電磁波)の被曝の安全性は保たれているのでしょうか?
MRIとCTは診断、X線は診断と治療に利用されています。
CTはX線を全方向から放射する装置であり、MRIは直流の電磁波(磁界)を利用した診断装置です。両者は原理が違います。世界保健機関(WHO)は、このような医療行為で発生する放射線、電磁波を取り扱っていません。その理由は、ご自身で選択可能なためです。例えば、CTはがんを発見するというメリットがありますが、がんになるかもしれないというリスクもあり、ご自身の選択の範疇になります。
一方、医療従事者の労働環境については、規制があります。
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3-18 MRI(磁気共鳴画像)の電磁波(磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
磁気共鳴画像撮影装置(MRI)は、永久磁石や超伝導磁石を用いて、一般的には2~3T(テスラ)、最大で10 Tの非常に強い静磁界を発しています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインでは、静磁界に対する制限値は職業的ばく露で2 T、公衆ばく露で400mT(ミリテスラ)(=0.4 T)です。
MRIが発する静磁界へのばく露では、この制限値を超える場合がありますが、これは医療行為に伴うばく露であり、世界保健機関(WHO)が考える健康影響の対象ではありません。というのは、MRIには病気の早期発見などの便益があるためです。
なお、MRI内部の静磁界中で検査を受ける人が頭を動かすと、めまいや吐き気などを生じることがありますので、当該検査での注意事項に従っていただくようお願いします。
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3-19静電界と静磁界は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
非常に強い静電界の中では放電による不快感などを生じることがあります。非常に強い静磁界(例えばMRIなどの医療機器)の中で頭を動かすと、一時的にめまいや吐き気などを生じることがあります。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
普通の生活環境では、そのような非常に強い静電界や静磁界に遭遇することはありません。
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3-20電子商品監視装置(EAS)が設置された図書館で、職員の体調が悪くなったとの記事を見たことがありますが、電磁波による影響でしょうか?
電磁界情報センターでもその図書館に聞き取りを行った結果、当時は図書館の受付エリアの空調が切られていたようですが、空調を入れて、さらに卓上扇風機を設置して空気の循環をよくしたら、体調不良は改善されたとのことです。
3-21東京スカイツリーからの電磁波(電波)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
東京スカイツリーを含むテレビやラジオの放送局は、高周波電磁界(電波)を発します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.304「電磁界と公衆衛生:基地局及び無線技術」で、「非常に低いばく露レベル、および今日までに集められた研究結果を考慮した結果、基地局および無線ネットワークからの弱いRF信号(電波)が健康への有害な影響を起こすという説得力のある科学的証拠はありません。」と結論付けています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。総務省でもこのガイドラインと同等な電波防護指針を設け、安全な電波利用の一層の徹底を図るため、無線局の開設者に電波の強度に対する安全施設を設けることを義務づけています。この制度は、人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強度が基準値を超える場所がある場合には、柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないようにすることを無線局の開設者に義務づけるものです。
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3-22アマチュア無線鉄塔からの電磁波(電波)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
アマチュア無線局は携帯電話と同じ種類の高周波電磁界(電波)を発しています。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.304「電磁界と公衆衛生:基地局及び無線技術」で、「非常に低いばく露レベル、および今日までに集められた研究結果を考慮した結果、基地局および無線ネットワークからの弱いRF信号(電波)が健康への有害な影響を起こすという説得力のある科学的証拠はありません。」と結論付けています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。総務省でもこのガイドラインと同等な電波防護指針を設け、安全な電波利用の一層の徹底を図るため、アマチュア無線局を含め全ての無線局開設者に電波の強度に対する安全施設を設けることを義務づけています。この制度は、人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強度が基準値を超える場所がある場合には、柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないようにすることを無線局の開設者に義務づけるものです。
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3-23テレビやラジオの放送塔の近くに住んでいると、健康に悪い影響が出るのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
テレビやラジオの放送局は、携帯電話基地局と同じ種類の高周波電磁界(電波)を発しています。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.304「電磁界と公衆衛生:基地局及び無線技術」で、携帯電話基地局や無線通信による電波は健康に影響を及ぼさないとの見解を出しています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。総務省でもこのガイドラインと同等の電波防護指針を設け、安全な電波利用の一層の徹底を図るため、無線局の開設者に電波の強度に対する安全施設を設けることを義務づけています。この制度は、人が通常出入りする場所で無線局から発射される電波の強度が基準値を超える場所がある場合には、柵などを施設し、一般の人々が容易に出入りできないようにすることを無線局の開設者に義務づけるものです。
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3-24携帯電話をズボンのポケットに入れている男性の方が多いようですが、悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
携帯電話は通話やデータ伝送時に高周波電磁界(電波)を発します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。総務省でもこのガイドラインと同等の電波防護指針を設け、国民への有害な電波ばく露を守っています。携帯電話の電波はICNIRPガイドラインのばく露制限値よりも低く、熱作用を生じることはありません。
欧州委員会(欧州連合(EU)の執行機関)に対する諮問機関「新興および新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR)」は意見書で、「男性の生殖能力についての研究は質が貧弱で、証拠をほとんど提示していない」としています。
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3-25携帯電話で長時間電話すると頭痛や体調不良などがあるのですが、電磁波(電波)による影響でしょうか?
高周波電磁界(電波)の悪影響とは考えられません。
なお、携帯電話を長時間、耳に当てて通話していると、耳が押さえつけられて熱の発散が低下することに加えて、携帯電話のバッテリーが発熱することにより、耳の周囲が暖められます。
その結果、耳の中にあって平衡感覚などをつかさどる三半規管などの重要な組織の温度が上昇して変調をきたし、頭痛や体調不良を生じる可能性があります。
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3-26携帯電話やスマートフォン端末からの電磁波(電波)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
携帯電話やスマートフォンは、通話やデータ伝送時に電磁波(電波)を発します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
携帯電話の電波はICNIRPガイドラインの制限値よりも低く、熱作用を生じることはありません。
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話の使用と脳腫瘍などとの関連についての大規模な疫学研究や、その他の研究の成果などに基づき、電波について「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と評価しました。現在WHOは電波の健康リスク評価を実施中で、その結果は2023年以降となる見通しです。ただし、WHOはIARCの評価に関連して、「携帯電話が潜在的な健康リスクをもたらすどうかを評価するために、これまで20年以上にわたって多数の研究が行われてきました。今日まで、携帯電話使用を原因とするいかなる健康影響も確立されていません。」との見解を示しています。
またWHOは、「第5世代(5G)移動通信ネットワークと健康」についての質問と回答の中で、「これまでに膨大な研究が実施されていますが、健康への悪影響は因果関係としてワイヤレス技術へのばく露と結び付けられていません。健康に関連した結論は、電波全体にわたって実施されてきた研究から導き出されていますが、これまでのところ、5Gに用いられる周波数で実施された研究は極少数です。電波と人体との相互作用のメカニズムは、主に組織の加熱です。現在の技術から生じる電波のばく露レベルは、人体に無視し得る程度の温度上昇しか生じません。周波数が高いほど、身体組織への浸透度は浅くなり、エネルギー吸収は身体の表面(皮膚および眼)に限定されます。ばく露全体が国際的なガイドライン以下に留まる限り、公衆衛生に対する結果が生じるとは考えられません。」と述べています。
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3-27オール電化住宅の電磁波(磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?電化かガスか迷ってます。
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
オール電化住宅とは、給湯・調理・冷暖房など家庭内で用いる全てのエネルギーを電気に統一した住宅ですが、電気を使用すれば家電製品と同様に電磁波(低周波磁界)が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。オール電化住宅で発生する低周波磁界の強さは一般的に、ICNIRPガイドラインの制限値を下回ります。
オール電化住宅を検討する際は、経済性や安全性(火を使わないため高齢者や子どもにも安心)など、低周波磁界以外の要因も含めて判断されてはいかがでしょうか。
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3-28電気毛布、電気カーペット、電気シーツを使用していますが、電磁波(磁界)は健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
電気毛布などの使用時には、電磁波(低周波磁界)が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、電気毛布などを含む42種目の家電製品の低周波磁界について、国際的な測定規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、家電製品から発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことが示されました。
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、生活環境でのガイドラインよりも低いレベルの超低周波磁界ばく露と小児白血病のリスク上昇との間に一貫した関連が認められることなどから、超低周波磁界について「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と評価しています。
ただし、WHOはIARCの評価に関連して、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係とみなせるほど強いものではありません。」との見解を示しています。また、その他の疾病についての証拠は「小児白血病についての証拠よりもさらに弱い」と結論付けています。
もし心配であれば、寝る前に電気毛布などの電源を入れて暖めておき、寝る時に電源を切れば、低周波磁界のばく露は発生しません。
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3-29送電線が地中に埋設されている場合は、電磁波(磁界)は心配しなくて良いのでしょうか?
電磁波(磁界)を心配される必要はありません。
地中に送電線を埋設しても、磁界がなくなる訳ではありません。地中送電線は、絶縁されたケーブル(一般的に3本)を近づけて埋設するため、磁界の波が相互に打ち消しあうことによる低減効果があります。
一方、ケーブルと地上の人との距離は、一般に上空を電線が通る場合に比べて近いことが多いため、磁界は架空送電線に比べて埋設地直上近くでは高くなることが多いですが、地中送電線だから磁界が低いとか高いということは一概には言えません。
経済産業省の委託調査では、架空送電線と地中送電線から発生する低周波磁界の強さは同等で、全て経済産業省の省令に定められた規制値(200µT)よりも低いことが示されています。
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3-30家電製品から発生する電磁波(磁界)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?また、どのくらい離れれば安全なのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。また、どのくらい離れれば安全という基準もありません。
家電製品の使用時には、低周波磁界や中間周波磁界が発生します。これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、テレビ、エアコン、洗濯機など42種目の家電製品の低周波磁界とIH調理器からの中間周波磁界について、国際規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、IH調理器を含む家電製品から発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことが示されました。
市販されている家電製品から発生する磁界は、取扱説明書に従って使用している限り、上述のようにICNIRPガイドラインの制限値よりも低いです。
また、磁界の強さは電流の大きさに比例し、発生源からの距離に反比例する(距離を2倍にすると磁界は4分の1になる)性質がありますので、通常の生活環境において複数の家電製品を使用している状況ではどのような位置においても、ICNIRPガイドラインの制限値を超えることはないと考えられます。
どうしても気になるようであれば、使用中の家電製品や電源ケーブルから離れることによって、磁界ばく露を小さくすることができますが、WHOはばく露を低減することを求めていません。
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3-31複数の家電製品などに囲まれて生活していますが、電磁波(磁界)の複合的なばく露はどうなのでしょうか?
複数の家電製品からの複合的な電磁波(磁界)ばく露が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
家電製品の使用時には、低周波磁界や中間周波磁界が発生します。これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、テレビ、エアコン、洗濯機など42種目の家電製品の低周波磁界やIH調理器からの中間周波磁界について、国際規格(IEC62233)に基づく測定を実施しました。その結果、IH調理器を含む家電製品から発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値よりも低く、高くても数%程度であることが示されました。
複数の家電製品を使用する場合、各製品が示す磁界の%の合計が100%を超えないようにする必要がありますが、実際には磁界の強さは発生する機器から離れると急激に弱まるので、一般的な生活環境で100%を超えることは無いと考えられます。
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3-32電磁波(低周波磁界)を長くあびた場合、小児白血病以外の健康影響はあるのでしょうか?
生活環境で電磁波(低周波磁界)が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.322「超低周波電磁界へのばく露」で、「超低周波磁界ばく露との関連の可能性について、多数の健康への有害な影響が研究されています。
白血病以外の小児がん、成人のがん、うつ病、自殺、心臓血管系疾患、生殖機能障害、発育異常、免疫学的修飾、神経行動学的影響、神経変性疾患などです。WHOのタスクグループは、これらの健康影響全てについて、超低周波磁界ばく露との関連性を支持する科学的証拠は小児白血病に関する証拠よりはるかに弱いと結論しました。いくつか例を挙げれば、(すなわち心臓血管系疾患や乳がんに関する)証拠から、超低周波磁界はこれらの疾患を引き起こさないことが示されています。」と結論付けています。
また、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、「超低周波磁界と小児白血病またはその他のいかなる長期的影響との因果関係も確立されていない」との見解を示しています。
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3-33電磁波(低周波電磁界)を長くあびていると、生まれる子どもが女の子である割合が多いと聞いたことがありますが、本当ですか?
動物実験においては、生殖への影響として電磁波(低周波電磁界)による出生の性比率を調べたものはありますが、性差は有りませんでした。人では、ほとんど調べられていません。
3-34電磁波(低周波磁界)を長くあびていると、小児白血病になると聞いたことがありますが、本当ですか?
「低周波磁界を長く浴びると小児白血病になる」ということの因果関係は確立されていません。
世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、生活環境でのガイドラインよりも低いレベルの低周波磁界ばく露と小児白血病のリスク上昇との間に一貫した関連が認められることなどから、低周波磁界について「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」と評価しています。その後、WHOはIARCの評価に関連して、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係とみなせるほど強いものではありません。」との見解を示しています。また、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、「超低周波磁界と小児白血病またはその他のいかなる長期的影響との因果関係も確立されていません」との見解を示しています。
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3-35電磁波(低周波磁界)に神経への刺激作用があるのであれば、健康に悪い影響を及ぼすのではないでしょうか?
生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁波(低周波磁界)が健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、家電製品および送電線などの電力設備から発生する低周波磁界について、国際規格(IEC62233、IEC62110)に基づく測定を実施しました。その結果、家電製品や電力設備から発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値、およびそれと同等の経済産業省の省令に定められた規制値よりも低いことを確認しています。
よって、一般的な生活環境では、刺激作用を生じるような強さの低周波磁界にばく露されることはなく、刺激作用による健康への悪影響は生じません。
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3-36非常に強い電磁波(低周波磁界)を浴びると、どのような症状がでるのでしょうか?
非常に強い低周波磁界[(20Hz(ヘルツ)でおよそ5mT(ミリテスラ)=5,000µT(マイクロテスラ)を超える磁界]にばく露された場合、眼の網膜に電界が誘導されることにより、実際には存在しない微弱な点滅する光を感じる磁気閃光現象が生じます。なお、磁気閃光が生じる様な磁界環境は日常生活空間には存在しません。
この現象自体は健康への直接的な悪影響ではありませんが、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、網膜は中枢神経系の一部であり、この現象を回避すれば、脳機能に生じる可能性のある全ての影響から防護されるはずであるという安全側の考え方から、磁気閃光現象を生じるばく露レベルを根拠としてガイドラインを策定しています。
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3-37周波数の低い電磁波(電磁界)では、電界と磁界のどちらが健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
生活環境中の電磁波(低周波電磁界)ばく露では、どちらも健康影響を及ぼすことは確認されていません。
世界保健機関(WHO)は、低周波電界の低レベルのばく露影響はないとの立場で、低周波磁界の低レベルのばく露の健康影響を中心に評価をしています。
WHOの専門機関である国際がん研究機関(IARC)行った発がんハザード評価では、超低周波磁界はグループ2B(発がん性があるかもしれない)に、超低周波電界はグループ3(発がん性を分類できない)に分類されています。その根拠となったのは、磁界ばく露と小児白血病との関連性です。IARCの発がんハザード評価後に行われたWHO本部のリスク評価では、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係とみなせるほど強いものではありません。」との見解を示しています。また、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、「超低周波磁界と小児白血病またはその他のいかなる長期的影響との因果関係も確立されていません」との見解を示しています。
現在でも世界中で様々な研究が実施されている低周波磁界においても、一般市民がばく露される強さにおいて健康に悪影響を与えるという確かな証拠は見つかっていません。
非常に強い低周波電磁界(電界・磁界)には、体内に電界(誘導電界)を生じさせ、神経や筋に影響を及ぼす刺激作用があります。ただし、体外の電界が非常に強くても、体表面に誘導される電荷によって体内の電荷のほとんどが打ち消されるため、体外の電界によって体内に生じる誘導電界はきわめて微弱です。よって、電界による健康影響は問題とはみなされていません。
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3-38住宅新築の場合に、電磁波(磁界)が健康に悪影響を及ぼさないような注意点を教えて下さい。
生活環境中の電磁波(磁界)に対して、特に注意しなければならないことはありません。
どうしても心配なので磁界を低くしたいということでしたら、壁の中や床下にある屋内配線からの磁界のばく露を減らすため、子どものベッドを屋内配線の近くに置かないことなどが有効と考えられます。
電磁界情報センターでは、低周波磁界の強さを測定する機器を無料貸出(配送料は自己負担)しております。家の中などの磁界測定に関心がある方は以下よりお申し込み下さい。
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3-39科学は常に発展し新しい発見があるのに、電磁波(電磁界)の健康影響はないと結論付けることに危惧を感じます。
電磁波(電磁界)の健康影響が「ない」と100%確実に結論付けることはできません。
いつの時代にも、リスク評価は入手可能な最善の証拠に基づいて行われています。
電磁界については、これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
ばく露レベルがこのガイドラインの制限値を超えない限り、健康への悪影響が生じるとは考えられないというのが、世界保健機関(WHO)や各国の公的機関の見解です。
この見解は、常に最新の科学的知見に照らして見直しが行われていて、ガイドラインの根拠となったレベルよりも低い電磁界ばく露によって健康への悪影響が生じることを示唆する新たな証拠が認められた場合には、改めてリスク評価が行われることになります。
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3-40電磁波(磁界)に関する講演会などに参加すると、ある国では磁界は有害と認めたなどという話を聞きますが、事実はどうなのでしょうか?
日本政府を始め、各国政府が「生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁波(磁界)が健康に悪影響を及ぼす」という公式な見解を示している例はありません。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
世界保健機関(WHO)は、「幅広く研究が行われてきましたが、現在までのところ、低レベル(ICNIRPガイドラインよりも低い)磁界へのばく露が人間の健康に有害だと結論できるだけの証拠はありません。」との見解を示しています。各国政府の見解もおおむね同じです。
なお、一部の国では、国民の不安に応えるために政治的な判断で、磁界を発する設備や機器からのばく露レベルを国際的なばく露防護ガイドライン値よりも低い値とする措置を講じている事例もあります。また、送電線の近くでの住宅や学校の新設を禁止する、子どもの携帯電話使用を制限する国・地域もあります。これはあくまでも「念のための対策(プレコーショナリアプローチ)」であり、当該国の政府が「生活環境で遭遇し得る磁界ばく露と健康への悪影響との因果関係を認めた」ということを意味するものではありません。
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3-41電磁波(磁界)は人体に有害であるとされる書籍などを見かけますが、本当ですか?
非常に強い電磁波(磁界)には、健康への悪影響を生じる作用がありますが、生活環境で遭遇し得るばく露レベルの磁界が人体に有害な影響を及ぼすとは考えられません。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
世界保健機関(WHO)は、「幅広く研究が行われてきましたが、現在までのところ、低レベル(ICNIRPガイドラインよりも低い)磁界へのばく露が人間の健康に有害だと結論できるだけの証拠はありません。」との見解を示しています。各国政府の見解もおおむね同じです。
一部の書籍などには、様々な研究成果のうち、悪影響が見られたとするものだけを恣意的につなぎあわせ、「電磁波は危ない」というストーリーを作って、読者の不安をあおるものもありますので、注意が必要です。
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3-42電磁波(低周波電磁界)は心臓に悪い影響を及ぼすと聞きましたが、本当ですか?
生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁波(低周波電磁界)が心臓に悪影響を及ぼすとは考えられません。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、非常に強い低周波電磁界の刺激作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.322「超低周波電磁界へのばく露」で、「超低周波磁界ばく露との関連の可能性について、多数の健康への有害な影響(心臓血管系疾患など)が研究されています。超低周波磁界はこれらの疾患を引き起こさないことが示されています。」と結論付けています。
また、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、「(低周波)磁界と、いかなる長期的影響との因果関係も確立されていない」との見解を示しています。
心臓ペースペーカなど植込み型医療機器をご利用の場合は、電磁界を発生する機器を使用する際の注意点などを担当医にご確認ください。
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3-43電磁波(電磁界)が細胞の遺伝子を通過することによって、細胞に悪い影響を及ぼすと聞きましたが、本当ですか?
生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁波(電磁界)が細胞の遺伝子に悪影響を及ぼすとは考えられません。
高周波電磁界[上限周波数300 GHz(ギガヘルツ)]よりも周波数が高い電磁波には、赤外線、可視光線、紫外線、放射線(エックス線、ガンマ線)が含まれます。このうち、紫外線の一部と放射線には、物質を通過する際に物質を構成する原子から電子をはじき飛ばしてイオン化(電離)する作用があります。
生物がこの電離作用のある放射線を過度に浴びると、DNAに損傷が生じることがあります。細胞には通常、この損傷を正常に修復する能力がありますが、修復が正常に行われない場合、損傷が蓄積され、細胞の正常な機能が損なわれ、がんなどの悪影響を生じるおそれがあります。
ただし、低周波電磁界や高周波電磁界には、このような電離作用はなく、生活環境で遭遇し得るばく露レベルの電磁界がDNAを損傷することも確認されていません。
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3-44電磁波(電磁界)の健康影響を周波数ごとに評価するのはなぜでしょうか?
時間変化する電磁波(電磁界)が生体に及ぼす影響は、おおむね100 kHz(キロヘルツ)を境として「刺激作用」と「熱作用」に分けられるためです。
非常に強い低周波電磁界(おおむね100 kHz以下)には、体内電界を生じさせ、神経や筋に影響を及ぼす刺激作用があります。
非常に強い高周波電磁界(おおむね100 kHz以上)には、生体組織を加熱する熱作用があります。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを、100 kHzを境に低周波電磁界と高周波電磁界についてそれぞれ策定しています。
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3-45太陽光発電設備を屋根に設置しようと考えていますが、発生する電磁波(電磁界)は健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
太陽光発電設備の構成要素のうち、太陽光パネルでは直流電流が生成され、そのまわりに静電界と静磁界が発生します。
パワーコンディショナでは、直流電流を家庭で使用している50・60Hz(ヘルツ)の交流電流に変換するため、低周波電磁界が発生します。
これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
電磁界情報センターでは、太陽光パネルから発生する静磁界ならびにパワーコンディショナから発生する低周波磁界について測定を実施しました。その結果、発生する磁界の強さは、いずれもICNIRPガイドラインの制限値よりも低いことを確認しています。
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3-46無線LANの電磁波(電波)は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼすとは考えられません。
無線LANはデータ伝送時に高周波電磁界(電波)を発します。これまで数十年間にわたり世界中で実施されてきた膨大な研究で、熱作用によって健康に悪影響が生じる可能性があるばく露レベルが明らかにされています。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、これらの研究成果に基づき、健康に悪影響を及ぼさないレベルとして十分に安全率を盛り込んだガイドラインを策定しています。
無線LANの電波はICNIRPガイドラインの制限値よりも低く、熱作用を生じることはありません。
世界保健機関(WHO)はファクトシートNo.304「基地局および無線技術」で、「非常に低いばく露レベル、および今日までに集められた研究結果を考慮した結果、基地局および無線ネットワークからの弱いRF信号(電波)が健康への有害な影響を起こすという説得力のある科学的証拠はありません。」と結論付けています。
また、日本では、電波を発生する機器は電波法で規制されておりますので、無線LANについても「電波防護指針」に基づき、電波の強さが基準値を超えないようになっています。
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3-47海外では、子どもの携帯電話の利用を制限していると聞いたことがありますが?
一部の国や地域では、子どもの携帯電話やスマートフォンなどの適切な使用を推奨しています。そうした対策は、子どもが携帯電話を使用することにリスクがあるとは示されていないものの、十分なデータがないことから、念のための措置として講じられているものです。
例えば、フランスの国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、高周波電磁界(電波)への子どものばく露とその健康への影響の可能性に関する報告書で、「子どもは、身体のサイズが小さいことと、一部の組織の特性などの形態学的および解剖学的特性のために、成人より影響を受けやすいかもしれません。」と結論付けています。またANSESは、子どもの無線通信技術の適切な使用を推奨しています。
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は、ファクトシート「携帯電話と健康」で、「これまでのところ、子どもは成人よりも携帯電話からの電波に対して脆弱かもしれない、という仮説を立証する十分な科学的証拠はありません。」、「子どもの長期的な携帯電話の使用に関する十分なデータがないことから、保護者は子どもに対し、通話時間を減らす、受信感度が良好な場所で発信する、ハンズフリー装置やスピーカーモードを使う、またはテキストメッセージを使うことで、自分たちのばく露を低減するよう奨励することが推奨されます。」と述べています。
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3-48暖房機器から発生する遠赤外線は、健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
暖房機の赤外線は、浴びると暖かいと感じる程度で、健康に影響を及ぼすとは考えられません。
遠赤外線は、電磁波(電磁界)の一種である赤外線のうち、波長が長い(おおむね0.003mm~1mm)ものを指します。遠赤外線が物質に吸収されると、物質を構成する分子や原子の振動エネルギーや回転エネルギーに直接的に変換され、その物質を効率良く暖めることができます。そのため、遠赤外線は温熱治療器などにも使われています。
ただし、暖房機器の発熱部に直接触れると、物理的なやけどなどを生じる場合もありますので、十分に注意してください。
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